温泉の話題(熊本・黒川温泉)

去年であったが、あこがれの熊本の黒川温泉に行くことが出来た。黒川温泉は、昨今の温泉人気のかなり上位を争う温泉地である。

この温泉の特徴は何といっても、どの旅館も露天風呂を売りにしていて、それぞれの旅館の露天風呂巡りが出来ることであろう。

って、なんてことはパンフレットにも書いてあるのでどうでも良いのだが、yabbieが感心したのが、宿の質がどこの宿も一定レベル以上に良く保たれているところである。温泉情緒というのだろうか、鄙びた宿は鄙びたなりに、ホテルタイプの宿はその豪華感を活かして、いずれも宿というサービス業として成熟したものを感じるのだった。

yabbie達は、予算的都合により比較的リーズナブルな「南城苑」に宿泊した。一泊二食付き一人13,800円と内容を考えれば十二分に満足出来るものだった。前のコラムにも書いたが、料理は焼き物・煮物・蒸しもの・天ぷら等の暖かい食べ物は暖かくサーブしてもらうとこんなに美味しいものかと思った。あ、どうかな?と思いながら食した鮎の塩焼き等、熱々でやけどしそうだったぐらいである。当然、香しい鮎を熱々でかぶりついて頂くのだからうまい!
朝食も、湯豆腐メインでいわゆる旅館の朝食であったが、炊きたてのご飯のほかほかとした香りや、その他のメニューも手作りの味がホンワリと活きているようで大変結構な味だった。

肝心の温泉もこれまた良い。
南城苑は、露天風呂とテラス状になった個室風呂が売りであり、星空を眺めながら浸かる温泉は、比較的ぬるめの湯温と相まって、いかにものんびりとくつろぐことが出来た。
玄関先に作られた足湯も、足を浸けながら、旅の逸話を交換し合うのに最適である。

全体に、鄙びた風でもあるが、清潔感もあり安心出来る。この鄙びた感と古ぼけた・寂れた感は表裏一体で難しいが、概して、最初に豪華なものを作ってしまったものをメンテしきれずにいるケースは後者に繋がっていると感じる。
黒川温泉の宿は、どれも大きくないが、良いサービスを提供出来る最適なサイズというものが自然と見出されている。

聞けば、黒川温泉も今ほど話題になる前は、世間一般的な寂れた温泉郷だったという。それはそうだ。高度成長の時代に一度温泉ブームがあり、そのときには、都会から大量に呼び込んだ客を廊下に寝泊まりさせたこともあったという。その調子では、情報で溢れかえった近年の客はとうてい望めない。みんな曲がりなりにも、外国にも行って、あちらのサービス精神もよく勉強されているのだ。
そんな世の中をよく研究しており、黒川温泉ブランドとして温泉郷全体で一定のレベルを保つこと、露天風呂を売りとして統一感を出すこと、豪華ではなくとも本物の料理を提供すること。これらのノウハウによって、客の感動を呼ぶことが出来ている。

はっきりいって、東京から行こうとすると秘境的に遠いが、是非再び温泉三昧してみたいものである。
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by yabbie | 2005-02-01 00:39 | 旅行記